経営方針


ガス・ウォーター・電気で総合エネルギー事業分野へ
高濃度水素水サーバーで健康・美容分野へ
他社との差別化を図り、持続的に成長していきます

2016年4月期の業績についてお聞かせください。

当期は、売上高が227億6百万円で前期比11.3%減となる一方、営業利益は3.0%増の18億74百万円と、2期連続の過去最高益を達成しました。経常利益は0.1%増の19億38百万円、純利益は7億86百万円と30.1%減となりました。純利益の大幅減は従業員の増加に対応するため、退職給付金債務の計算方法の変更を実施したことによる影響を特別損益として計上したためで、一過性のものと考えております。
 主力2事業をセグメント別に振り返りますと、LPガス事業の売上高は166億92百万円(15.5%減)、営業利益は25億73百万円(0.5%減)でした。売上高の減収は、暖冬による販売数量の減少、売上原価の低下に伴う販売価格の値下げなどがその要因です。この売上原価の値下がり時期と販売価格の値下げ時期にタイムラグが生じ、減益を招くこととなりました。
 ウォーター事業は、高濃度水素水サーバーの好調に加えて「アルピナ」の販売本数が前期比でプラスとなり、売上高は前期比2.9%増の60億14百万円でした。ただし、為替の影響から営業利益は6.5%減の9億68百万円にとどまり、販売面での好材料を増益につなげられませんでした。
 そのほか、当社が掲げる『「火」「水」「空気」のライフライン事業』の「空気」にあたるアグリ・養殖事業では、栽培実験を続けてきたイチゴを、自社ブランド「プリンセス・ココ」として商品化する運びになりました。遠からず市場でご賞味いただけることになるかと思います。どうぞご期待ください。

トップメッセージ

2017年4月にはガス事業を含むエネルギーの全面自由化が始まります。事業環境の激変にどのように対応しますか。

ライフライン事業者にとって激変期を迎えたことは事実ですが、当社は今般のエネルギー全面自由化を脅威と捉えてはいません。むしろ、創業時の理念である「生活に関わるインフラを支える」事業に本格的に取り組む好機と歓迎しています。
 当期、私どもは大手PPS(特定規模電気事業者)のJXTGエネルギー株式会社と業務提携を結び、紹介代理店形式での電力小売事業に参入いたしました。2015年12月には、NTTの光回線・フレッツ光を利用するインターネットサービス"TOELL光LINE"を開始。これにより、既存事業のLPガス、ウォーターと、電気、通信を一体的に提供する新サービス「TOELLライフラインパッケージ」がスタートしています。当社の総合エネルギー事業者としての歩みにご期待いただければと思います。
 「TOELLライフラインパッケージ」では、すでにLPガス、ウォーターをご利用いただいている約51万世帯に電気・通信との一体契約をご提案するだけでなく、新規顧客の獲得にも注力します。PPSとの交渉にあたって、当社は同じ立場にある同業者と電力小売に係る協力体制を構築しました。その体制は計150万世帯をカバーする規模です。この広範な協力体制を活用し、新たな顧客層の開拓につなげてまいります。

参入企業が年々増えているウォーター事業では、どのような施策を考えていらっしゃるでしょうか。

東日本大震災後の需要増がひと段落した現在も大手飲料水メーカーの参入が相次ぐのは、この業界にまだ成長の余地がある証だと考えています。当社のピュアウォーターは、「原水にこだわる」「競争力ある価格」という点で、お客様に十分アピールできる商品です。これらを差別化戦略の強みとして、ブランディングを進めてまいります。
 長野県・大町の工場ではISO 22000とFSSC 22000認証を取得、ハワイ州・モアナルアの工場においてもISO 22000認証を取得したことで、一層自信を持って「安全・安心なウォーターをお届けしています」とお伝えできるようになりました。取り組みを積み重ねてブランド力を向上させ、お客様の信頼を勝ち得たいと考えています。
 2016年1月からは、モアナルア工場で「ハワイアンウォーター」の12リットルワンウェイボトルを製造・販売しています。従来品の8リットルボトルに比べると大容量の商品です。「水は美味しいが、ちょうどよい大きさがない」というお客様の声にお応えするかたちで開発・導入いたしました。流通範囲も広いワンウェイボトルは、全国展開する大手飲料水メーカーの参入で、業界の主軸になる可能性もあります。現在の主力商品「アルピナ」に匹敵する商品になると期待しています。
 ボトルウォーターの海外展開としては、すでにシンガポールへの輸出を始めておりますが、今後、香港、タイ、ベトナムへの輸出が始まる予定です。

高濃度水素水サーバーが好評とのことですが、今後の取り組みをお聞かせください。

他社商品とは一線を画す4.1ppmという高濃度の水素水を手軽に楽しめることから、2014年9月の販売開始以来、おかげ様で多くの方にご利用いただいております。一時は需要に生産が追い付かない状況でしたが、現在は増産体制も整い、ウォーター事業成長の起爆剤になりそうです。
 高濃度水素水サーバーは、従来の顧客層だけでなく、健康・美容に関心をお持ちの方にもアピールできる商品です。市場規模1,200億円のボトルウォーター業界にとどまらず、2~3兆円ともいわれる健康・美容市場で美容や健康食品メーカーとの業務提携等を模索しているところで、実際に取引も始まりつつあります。引き続き、さらなる販路の拡大を検討してまいります。

横浜市港北区民表彰を授与されましたね。

当社は、かねてより事業を通して地域の皆様のお役に立つ企業でありたいと考え、活動してきました。このたびの表彰はそうした点を評価いただいたものと光栄に思っています。
 社会貢献活動ではほかに、災害時の必要物資に関する協定を横浜市緑区と締結、また、当社厚木工場で中核充てん所稼働訓練を実施するなど、ライフライン事業者としての役割を考えながら取り組みを進めています。さらに、災害時のBCP(事業継続計画)を念頭に、新たな物流ネットワークの再構築、ウォーター事業の水源の多極化も検討します。今後もライフライン事業者ならではの活動を地道に続け、地域に不可欠な、皆様に信頼される存在となれるよう努めてまいります。こうした取り組みが、「選ばれるライフライン事業者」として他社との差別化につながり、さらには利益を生むと考えています。

新たな経営理念体系を策定した背景をお聞かせください。

新たな経営理念体系は、創業者・稲永修のモットーである「商いは全ての人に仕えること」を企業理念(社是)として根幹に置き、その思いを具現化する経営指針、行動規範を明文化しました。当社はLPガスを主事業として会社の基礎を作り、ウォーター事業で大きく飛躍いたしました。今回の経営理念体系には、そのウォーター事業の好況がひと段落したいまだからこそ、原点に返るという意図を込めています。継承してきた理念をグループの社員・スタッフすべての誇りとし、「一丸となって成長しよう」という意識を共有してまいります。私どもは、株主の皆様、お客様はもとより、お取引先、従業員、地域社会に寄り添う企業、人として成長を続けます。皆様のより一層のご支援をよろしくお願い申しあげます。