ニュースリリース


記者会見(2011年12月7日) より安全・安心な飲料水ご提供への取り組みについて

2011年12月07日


株式会社トーエルと戸田工業株式会社は「放射性物質を含有する汚染水の浄 化方法及び浄化装置」を 2011 年 9 月 12 日に特許庁に特許出願しました。

この特許は、放射性物質に汚染された水から放射性物質を短時間で、安全か つ容易に、しかも安価に除去する浄化方法を提供するものです。

原子力発電所などの放射性物質を扱う施設から、事故等により放射性物質が 施設外に漏れ出る可能性は否定できません。現に、先に起きた福島原子力発電 所の事故では大量の放射性物質が飛散しています。 事故が起きた際に大きな問題となるのは、放射性物質で汚染された水を通じ て人や家畜、農作物等へ汚染が広がることです。したがって、放射性物質で汚 染された水を、いかにして短時間に、安全かつ容易に、しかも安価に除去する かが重要な条件となります。しかしながら今日、水に含まれる放射性物質の除 去に使われているゼオライトや RO 膜等はこうした条件の全てを十分に満たす ものではありません。
このたびの発明は、放射性物質の吸着速度や効率が既存物質より高いハスク レイ・シリーズ「ARE」※を吸着剤として用いた放射性物質汚染水の浄化方法及 び浄化装置です。従来の飲料水の製造にこの方法及び装置を利用した場合、ARE が放射性物質を吸着するため、より安全・安心な飲料水をご提供でき、また高 価な RO 膜の劣化を防止できるので、従来と変わらない価格でのご提供が可能 となります。更には、家畜飲料水・灌漑水・植物工場水耕液等への本技術の利 用も可能です。また、放射性物質を吸着・除去した後には、ARE をガラスフリ ットと混合し溶融してガラス固化することで、安全に放射性物質を閉じ込め、 保管できます。

【用語説明】
放射性物質の吸着速度や効率を既存物質より高くしたハスクレイ・ シリーズ「ARE」
独立行政法人産業技術総合研究所の鈴木正哉主任研究員が調湿剤 用途で開発したハスクレイを、戸田工業株式会社と独立行政法人産 業技術総合研究所が放射性物質吸着材用途に共同で改良した新しい ハスクレイです。放射性物質吸着材としてよく知られるゼオライト よりも極めて短時間(数分間)で吸着除去するだけではなく、セシ ウムの他にストロンチウムも同時吸着する特性を持っています。

お問い合わせ先

株式会社トーエル
製造部
渋谷 成寿
電話:045-592-7777(内線 2255)

より安全・安心な飲料水ご提供への取り組みについて(pdfファイル約160KB)