「新電力はやばいって聞いた」「信頼度が高いおすすめ新電力会社はどこ?」など、電気代の値上がりや事業撤退のニュースを見かけ、新電力は危険なのではと不安に思う人も多いことでしょう。
新電力会社がやばい・危険と言われる理由は、市場価格変動の影響を受けやすい点にあります。そこで今回は、電力会社の選び方のコツや実績があるおすすめの新電力会社を紹介します。
- 新電力会社がやばいと言われる理由は
「市場価格の影響を受けやすい」から - 新電力会社が撤退したらどうなる?
エリアの地域電力会社が代わって電気を供給
遅くとも15日前には通知されるので、いきなり電気が止まる可能性は低い - やばい新電力会社を選ばないためには?
市場連動型の料金プランに注意!
初期費用・違約金なしの電力会社ならすぐに他社へ乗り換えられる
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監修者 |
環境・エネルギー分野のビジネス推進や企業の社会貢献活動支援をしているRAUL株式会社 代表取締役社長。複数の社団法人で理事を務める他、環境省 地域再省蓄エネサービスイノベーション促進委員会の委員のひとりでもある。 著書に |
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新電力会社はやばい?噂の理由を大調査!
2016年に電力の小売事業が自由になり、今までに新電力会社が多数登場してきました。大手電力会社以外の電力会社が自由に選べるようになり、それぞれ特色のあるサービスを打ち出しています。
しかし、2023年には「新電力会社がやばいらしい」と言われるようになりました。その背景には、以下のような事由が挙げられます。
- 燃料費の影響を受けやすいから
- 撤退する会社が多いから
- 値上げする新電力もあるから
やばいという噂の理由①燃料費の影響を受けやすい
現在ウクライナ情勢の影響により、電力を調達するためのコストが高くなっています。もともと新電力会社のほとんどは発電所を持っておらず、電力は日本卸電力取引所(JEPX)で調達するのが基本です。
日本の発電方法の主だったものは火力発電ですが、発電するための原料として原油や液化天然ガス、石炭などの燃料が必要になります。燃料のほとんどは日本でまかなえず、海外からの輸入に頼っているのが現状です。
そのため、電力のコストが高くなり、日本卸電力取引所で電力を調達するためのコストそのものが高騰しています。
新電力会社は売れば売るほど赤字になるため、現在新規受付を中止している新電力会社が多いのはこのためです。
やばいという噂の理由②撤退する会社が多い
電力の調達コストが高くなっていることを背景に、電力の供給事業から撤退したり倒産したりする会社も増えています。
新電力会社の撤退や倒産のニュースを耳にする機会も増え、やばいという印象が高まっている背景があります。市場が悪化しており事業を継続するのが難しい状態であることは、これらの現状からも明らかです。
やばいという噂の理由③値上げする新電力もある
電気代の調達コストが高くなっていることを受け、2023年度に入り電気代の値上げに踏み切る新電力会社も増えています。値上げの方法は、電気料金の単価をアップしたり電源調達費などといった独自の項目をプラスしたりするなどさまざまです。
ただし、すべての新電力会社が値上げしているわけではなく、現状これまでの料金を維持している新電力会社もたくさんあります。また、事前に公表もしくは連絡があるため、いきなり値上げするというリスクは低いと考えてよいでしょう。
新電力会社を契約中…やばい?疑問を解決しよう
現在新電力会社を契約していると「まだ実害はないけど不安……」と感じている人も多いのではないでしょうか。ほかの電力会社に乗り換える前に、新電力会社についての疑問を解消しておくと、より適切なサービスを選びやすくなります。
ここでは、多くの人が不安に思う2つのポイントを紹介します。
Q.撤退・倒産したら電気が止まる?
「撤退や倒産したら電気が供給されなくなるの?」という点について、不安に思う人も多いのではないでしょうか。電気が1日でも使えなくなると、私たちの生活に多くの支障が出ることは想像に難くありません。
しかし、事業の撤退や倒産でサービスを提供できなくなる場合、供給が終わる15日前までに契約者に通知する義務があります。
事前に通知する前に倒産した場合、一時的な措置としてそのエリアの大手電力会社が代わって電気を供給するという決まりになっています。
もちろん早めに次の電力会社を見つけなければなりませんが、急に電気が供給されなくなるという事態にはならないと考えてよいでしょう。
Q.新電力会社で電気代は高くなる?それとも安くなる?
新電力会社への乗り換えで電気代はどうなるのか、気になるところです。新電力会社は、基本的に大手電力会社よりも価格を抑えて提供していることがほとんどでしょう。
ただし、高くなるか安くなるかは選択するプランによるため、必ず安くなるわけではありません。お得だと聞いたから乗り換えたものの、ライフスタイルと合わず電気代が高くなってしまう可能性も考えられます。
従量型のプランであれば単純な比較で検討できますが、特殊なプランの場合は電気使用量や電気代、電気代以外のサービスと広く検討する必要があるでしょう。
やばい新電力会社を選ばないために!選び方のポイント5つ
- 電気の使用量を把握する
- 料金プランと対応エリアを確認する
- お得になるサービスの有無もチェック
- 市場連動型に注意する
- 運営会社も要チェック
- 契約期間を確認する
1.電気の使用量を把握する
家庭に合った電力会社や電力プランを選ぶためには、家庭で毎月どのくらい電気を使用しているのか把握することが第一ステップです。
現在各家庭にスマートメーターの普及が進んでおり、スマートメーカーが設置されている場合30分ごとの使用電気量を確認することができるようになりました。
夜間の電気代が安いプランや土日祝の電気代が安いプランなど、ライフスタイルに合わせて選択することで、家庭に合ったプランが探しやすくなります。
2.料金プランと対応エリアを確認する
電気料金を抑えるためには、基本料金と電力量料金ができるだけ低い電力会社を選ぶのがポイントです。再生可能エネルギー発電促進割賦金は、どの電力会社を選んでも負担額は変わりません。
- 契約容量で決まる基本料金
- 使用電力量で決まる電力量料金(従量制料金の場合)
- 全世帯の負担が義務付けられている再生可能エネルギー発電促進割賦金
基本料金と電力量料金の2つを確認し、できるだけ安い価格の電力会社を検討します。ホームページ上で使用電力をシミュレーションできる電力会社も多いため、活用するのがおすすめです。
新電力会社の中には、基本料金や最低料金が無料というケースもありますが、一方で単価が一律で高めに設定されていることもあります。あまり電気を使わない場合はお得感が少ないかもしれませんが、電気を多く使う場合お得になる可能性があるでしょう。
契約の段階でエリア外であることが判明することもあります。契約前にきちんと対応エリアを確認してください。
なかには解約違約金がかかるサービスもあるため、料金プランを確認する際に併せて押さえておきましょう。解約違約金があると、いまいちだった場合にやめづらくなってしまいます。
3.お得になるサービスの有無もチェック
新電力会社の大きな特徴は、独自のサービスがある点です。どんなサービスがあるのかが、比較検討の際のポイントになります。例えばスマホやインターネット回線、都市ガスとのセット割です。
契約がまとめられるため、請求の管理が楽になるという側面もあるでしょう。引っ越し時の手続きが楽になるため、転勤がある家庭にもおすすめです。
ほかにも、ガソリン代が安くなる、キャンペーンの実施、ポイントが貯まる、ある曜日が安くなるなど、新電力会社ごとにさまざまなサービスが展開されています。
4.市場連動型に注意する
燃料費の高騰による影響を受けやすい料金プランが、市場連動型です。市場連動型とは、日本卸電力取引所(JEPX)との取引価格により、電気単価が決まる料金系体のこと。
2024年現在、電力会社を選ぶにあたり、なるべく市場連動型は避けたほうがいいでしょう。
実際市場連動型で契約していた家庭では、2021年1月に厳しい寒さやコロナによる外出自粛により、電気代が10倍になったケースもあるようです。経済産業省からも注意喚起が出ていることも、深刻さを物語っています。
出典:「市場連動型」の電力料金プランを契約されている消費者の皆様へ (METI/経済産業省)
5.運営会社も要チェック
事業の倒産や撤退が相次ぐ今、運営会社がどこなのかという点も、意外と重要です。母体である運営会社が安定していることも、判断材料のひとつになります。
運営会社に安心感が持てると、契約もしやすくなります。
ただし、知名度だけで決めるのは避けておきましょう。知名度がある新電力会社は人気も高いですが、広告費に多く予算を費やしており、電気代に還元されていないこともあります。
6.契約期間を確認する
新電力会社の多くは契約する際、特に契約期間を設けていません。しかし、一部の新電力会社では特典や割引プランを利用する代わりに一定の契約期間を定めています。
そのため、特典や割引プラン等を利用する場合は契約条件として期間に縛りがあるかどうかチェックしてみましょう。
やばい?電話勧誘や訪問販売する新電力会社に要注意
やばい新電力会社を避けるためには、電話勧誘や訪問販売をするような会社は辞めておきましょう。
電話で把握した個人情報をもとに、勝手に電力会社を変更されたなど、新電力会社がらみの相談が消費者センターなどに多く寄せられています。
「見積もりを出したい」などと電話で個人情報情報を聞き出そうとする可能性もありますが、安易に答えないようにしておきましょう。
また、訪問販売の際は会社名や名前、部署など身元をきちんと確認してくことも大切です。
出典:電力・ガスの契約に関する相談が多く寄せられています(発表情報)_国民生活センター
新電力会社選びに失敗しない方法|比較サイトの活用
電力自由化により、新電力に切り替えることで大幅に電気代を削減できるようになりました。
せっかく切り替えたのに大して安くならなかった…という事態を避けるためにも、新電力切り替えの前に必ず電力会社の比較サイトを利用しましょう。
電力会社比較サイトはライフスタイルに合った電気代が安く抑えられる新電力会社を比較し、紹介してくれるだけでなく、切り替えのためのサポートも提供しています。
電気チョイス
- 24時間いつでも申し込みができる
- 電話による相談で専門スタッフが最適な電力会社を提案
- 契約までのサポートも可能
- サービスの利用に料金が発生しない
「電気チョイス」は、株式会社Wizの子会社である新生活ポータルが提供するサービスです。Webで24時間いつでも申込可能で、住所と連絡先、希望連絡時間を入力すれば、指定時間に専門スタッフから連絡があるという流れ。
電気会社についての相談に対し、スタッフが提案、希望に沿う電力会社を見つけるサポートをしてくれます。
ここ!という電力会社が見つけられれば、契約のサポートも対応してくれます。切り替えの手続きもスムーズでしょう。
お問い合わせ方法 | メール、電話 |
入力フォーム項目数 | 8項目(氏名、連絡先、住所など) |
電話受付時間 | 9:00~20:00 |
出典:電気チョイス
エネチェンジ
- 電気代とガス代のプランを比較検討できるサービス
- セット割があるプランも見つけることができる
- 料金のシミュレーションやさまざまな検索方法もある
- 契約の取次を代行してもらえる会社もある
「エネチェンジ」は、電気とガス両方の比較ができるサイトです。電気とガスのセット契約により料金がさらに安くなるプランを見つけることもできます。
現在の利用料金から最適なプランを見つけるシミュレーションのほか、エリアや人気、エコ、キャンペーンなどといったさまざまな要素からプランを見つける方法も用意されています。
取次を代行してもらえるため、切り替えもしやすいサービスです。光熱費をまとめて下げることができるプランを、見つけられるかもしれません。
お問い合わせ方法 | メール、電話 |
入力フォーム項目数 | 9項目(住所、世帯人数、引越し状況など) |
電話受付時間 | 9:00~18:00 |
出典:エネチェンジ
【2024年最新】申し込み可能なおすすめ新電力会社2選
※当ページの比較基準については「暮らしとお水」新電力会社のランキング根拠と比較基準をご覧ください
当記事で紹介している新電力会社の情報はこちらからご覧いただけます。
CDエナジーダイレクト
- 豊富な料金プランから自分に適したものを選べる
- 「祝割」で人生の節目に最大3,000円相当のポイントが受け取れる
- 毎月の電気代支払いでポイントが還元される
- ガスとのセット割でさらにお得に
CDエナジーダイレクトは、ライフスタイルに合わせた料金プランを選べる新電力会社です。
基本的プラン以外にも、オール電化向けや単身者向けプラン、Amazonプライムがセットになったプランなど、独自のプランを多く提供しています。
さらに、毎月の電気代支払いでもポイントが還元され、貯まったポイントは電気代の支払いに充当したり、他社ポイントサービスに交換できたりするので、無駄なく利用できるでしょう。
基本料金(税込) |
※ベーシックでんきBの場合 |
1kWhあたりの電力量料金(税込) |
※ベーシックでんきBの場合 |
料金プラン |
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違約金・解約金(税込) | 0円 |
供給エリア | 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・栃木県・群馬県・茨城県・山梨県・静岡県の富士川以東 ※ 離島を除く |
運営会社 | 株式会社CDエナジーダイレクト |
※出典:公式サイト
東京ガス(でんき)
- 新電力販売量No.1の実績(低圧電力)※1
- 新規契約なら基本料金1ヶ月分が無料
- ガスとセット契約で電気代割引あり
- 支払い方法が豊富
東京ガス(でんき)は、新電力販売量No.1※1の実績を誇る新電力サービスです。東京ガスはガス会社としての知名度も高いため、新電力サービスへの乗り換えが不安という人も、乗り換えやすいでしょう。
また、ガスと電気のセット契約をすると、電気代が0.5%割引になるのも、東京ガス(でんき)の魅力です。東京電力エリアにお住まいなら、東京ガス(でんき)への切り替えで毎月の光熱費を節約できるでしょう。
基本料金(税込) |
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1kWhあたりの電力量料金(税込) |
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料金プラン |
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違約金・解約金(税込) | なし |
供給エリア | 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・栃木県・群馬県・茨城県・山梨県・静岡県の富士川以東 ※ 離島を除く |
運営会社 | 東京ガス株式会社 |
※出典:公式サイト
※1 「資源エネルギー庁電力調査統計電力需要実績」(2022年10月時点)における、みなし小売電気事業者以外の事業者(新電力)での低圧電力の需要実績値
まとめ
今回は、最近耳にする機会の多い新電力がやばいという噂の背景を検証しました。
2021年冬の寒波から始まり、ウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰などにより、2024年5月現在も電気代は高止まり状態です。電気を供給すればするほど赤字になる、という新電力会社も少なくありません。
ただし、契約している新電力会社が撤退や倒産した場合、すぐに電気の供給がストップしてしまう可能性は低いと考えられます。
やばい新電力会社と契約しないためにも、自分の電気使用量を把握し、プランをきちんと検討するなどといった姿勢が重要です。
記事内で紹介した新電力会社選びに迷ったときに利用できる比較サイトや、申し込み可能な新電力会社を参考に、ぜひ自分に合ったサービスを見つけてみてください。
執筆者 暮らしとお水制作・運営チーム
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